木材に現れる模様全般を木目または木理と言います。
木材を目にしたときの心地よさをかもし出している立役者です。
この模様は、柾目に限られたことではなく、全てが「1 / fのゆらぎ」だそうです。
木目を構成する組織構造には、成長輪と放射組織があります。
木の断面を見たとき現れる木目を年輪と言いますが、正式には成長輪と言います。線と線の間を早(そう)材と言い、線を晩(ばん)材と言います。早材から晩材までの一巾が一年の成長を表しています。
しかし、一年を通して気温、湿度の変動がない場合、明確な成長輪が形成されません。
放射組織は、樹種によって現れ方は違いますが、樹皮側から樹の中心に向けて放射状に伸びる組織で、養分の供給を担う細胞なので例外なく全ての樹木に形成されます(柔細胞)。針葉樹では、肉眼での確認はできません。広葉樹の「放射孔材」と言われる樹木では、容易に確認できます。
寒い地域で育つ樹木は、成長が遅く、成長輪の巾が狭くなります。この様な状態を「目が詰んでいる」と言い強度のある良材として好まれています。しかし「目が詰んでいる」=「強度がある」は、針葉樹に限定される相関です。針葉樹は、晩材が樹体を支えているため、目が詰むほどにその相対量が増えるので強度が増します。また、晩材の巾自体が広ければ広いほど強い木と言えます。
一方、広葉樹ではこの様な相関はまれで「環孔材」と言われる樹種では、負の相関になっています。良く知られている「ケヤキ」「クリ」「タモ」がその仲間で、これらの成長線が詰むと「ぬか目」と言われ強度の低い木とされ嫌われています。
環孔材で最も太い道管を持つ「クリ」の断面。薄くスライスした板に後ろから光を当てています。
光が見える部分が道管です。道管は、早材部分にあります。
「くり」の道管は、太いもので直径0.4mmもあります。